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−恒星の進化−

天文学の進歩により、恒星の誕生から最期までの恒星の一生の様子が分るようになってきました。恒星の誕生については前節で学習しましたので、今回は終末を中心に見てみることにします。


恒星の寿命
HR図上で分類した主系列星・巨星・白色矮星は、恒星が進化していくなかでの異なる段階での姿であることが分っています。星は一生の大部分を主系列星としてすごしますので、主系列星としての寿命が星の寿命となります。

主系列星の寿命

質量の大きなものほど明るく輝いているため、速く進化していきます。つまり、質量の大きな恒星ほど寿命が短いことになります。そのため明るい恒星は比較的少なく、太陽より暗い恒星が非常に多いことになります。明るい主系列星、すなわち青い星はすべて若い星です。

主系列星以後の進化
水素殻燃焼
恒星の中心部で水素(H)の核融合が進み、ヘリウム(He)の核ができます。そして、水素(H)の核融合がヘリウム(He)の核の外側に移っていきます。

●太陽質量の0.5倍程度の小さい恒星  ⇒  核融合が止まる  ⇒  白色矮星となる
●質量の大きな恒星  ⇒  外側は膨張して中心部は収縮する  ⇒  巨星(赤色巨星)となる

恒星の中心部が収縮すると、中心部の温度がさらに上昇し、108Kをこえると、ヘリウム(He)が核融合をはじめて炭素(C)や酸素(O)に変わります。質量が大きい恒星ではさらに核融合が進み、中心部ではしだいに重い元素ができて、最後には鉄(Fe)になります。



進化の速さは加速度的に速くなり、恒星はやがて終末をむかえるものと考えられています。


恒星の終末

進化の速さは加速度的に速くなり、恒星はやがて終末をむかえるものと考えられています。

●質量が太陽の0.5倍より重く4倍より軽い恒星の場合
ヘリウム(He)が燃えつきると、外層のガスを放出することで白色矮星になります。

●質量が太陽の4倍以上の恒星の場合
恒星全体が吹き飛ぶくらいの大爆発を起こすため超新星として観測され、すべてが星間空間に飛び散ったり、あるいはその中心部に白色矮星よりさらに高密度な中性子ばかりでできた 中性子星 や、 重力が大きくて光も外に出さないブラックホールを形成します。

主系列星 巨星 超新星爆発 中性子星 ブラックホール
超新星残骸 星間雲 原始星 惑星状星雲 白色矮星

ex : 8の字星雲(NGC3132)、猫の目星雲(NGC6543)、りゅうこつ座イータ星、 かに星雲(NGC1952)、大マゼラン雲の超新星1987A etc.
はじめに
第1章 太陽と太陽系
第2章 恒星の性質と進化
星の明るさ
恒星までの距離と明るさ
恒星の色
HR図
恒星の大きさと質量
恒星の誕生
恒星の進化
星団
第3章 銀河系と宇宙
宇宙科学の最先端
用語
質問



■恒星の一生
 恒星は永久に輝き続けるわけではなく、誕生も終末もあります。 恒星の進化は人間の日常の時間尺度に比べて非常にゆっくりと起こっています。
⇒こちらへ

■中性子星
 ほとんど中性子だけからなる超高密度の星。半径は10km程度、質量は太陽の1〜2倍にもなります。
⇒こちらへ(NHKデジタル教材)

■ブラックホール
 超高密度・大質量で、強大な重力のために物質も光も脱出できない天体。 太陽質量の10倍程度以上の星が、進化の終末に自らの重力によってつぶれて崩壊したもの。
⇒こちらへ(NHKデジタル教材)

■恒星の一生の最終段階
ex :
・8の字星雲(NGC3132)
惑星状星雲で、中心に白色矮星があり、星雲はゆっくり膨張しています。
⇒こちらへ(環境研ミニ百科)
・猫の目星雲(NGC6543)
惑星状星雲の1つ。中心核だけになってしまった青い星があり、その星の外層が膨張して広がりました。
⇒こちらへ(アストロアーツ)
・りゅうこつ座イータ星
太陽の100倍以上の質量をもつ星。150年ほど前に爆発を起こし、そのとき吹き飛ばされた物質が星のまわりにまゆ型に広がっています。
⇒こちらへ(国立天文台 理論天文学研究系)
・かに星雲
1054年に出現した超新星のなごりの星雲。この星雲の中心星は、電波を規則正しい周期でパルス状に放射しパルサーと呼ばれている。 これは、中性子星と考えられています。
⇒こちらへ(環境研ミニ百科)
・大マゼラン雲の超新星1987A
1987年にわが銀河系のすぐそばの銀河大マゼラン雲に出現した超新星。
⇒こちらへ(アストロアーツ)

■主系列星
詳しくはここ(栗田直幸氏のsite)

詳しい用語説明は、 用語説明ページ をごらんください。