光化学 先端科学をのぞいてみよう トップページへ
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光化学と聞くと最初に思い浮かぶのは何でしょうか。「光化学スモッグ」あるいは「光合成」でしょうか。 昔から光化学反応が使われてきたのはフィルムを使った写真(銀塩写真)です。また、自然界で行われている、植物による「光合成」は光化学反応の見本のようなものです。

光化学反応とは一般に物質が光により起こす反応のことを言います。ドイツのシャルツは1727年に 炭酸銀が光で分解することを見出しました。半世紀後、スウェーデンのシェーレは 塩化銀の光による分解反応を調べ、この反応が紫色の光で最もよく分解することを 見つけました。写真の開祖と言われるフランス人のニエルセは、1826年に、石板石の上にピッチを塗って光を 当てると光の当たった部分は硬化し、後で油で洗っても溶けずに「現像」されることを見出しました。 19世紀半ばに、イギリス人のタルボットは塩化銀の感光を利用した写真を発明しました。これが現在の銀塩写真の始まりです。 19世紀末から20世紀初めにかけて、イタリアのボローニャ大学のシアミシャンは種々の有機化合物に太陽光をあてて、 それらの光化学反応を研究しました。

光化学反応の反応機構を調べるために非常に時間の短いキセノンランプによるパルス光 (フラッシュ)を物質にあてて、その後の物質の変化を調べる方法(フラッシュ分光法)を開発したイギリスのポーターは 1967年にノーベル化学賞を受賞しました。
また、フラッシュ分光法よりも時間幅の短いレーザーを用いたパルス光によるフェムト秒 の時間スケールでの分子の挙動を調べた功績により、アーメド・ズベイルは1999年のノーベル化学賞を受賞しています。



■炭酸銀
Ag2CO3です。黄色の粉末で、光に敏感で、加熱すると分解します。

■塩化銀
AgCl です。白色の結晶ですが、光によって黒くなります。

■キセノンランプ
キセノンは希ガスの1種で、元素記号はXeです。キセノンを詰めたランプがキセノンランプで、カメラについているフラッシュランプはキセノンランプです。

■ノーベル化学賞
ノーベル賞はスェーデンの化学者・実業家であるアルフレッド・ノーベルが1901年に設けた世界的な賞です。

詳しい用語説明は、 用語説明ページを ごらんください。

■レーザー
誘導放出を利用した光の増幅器です。レーザーからの光は通常のランプからの光と異なり、指向性に優れている、単色性に優れている、コヒーレント(可干渉性)な光、パワー密度の強い光という特徴があります。

■フェムト秒
fs がフェムト秒を表します。"f" は10-15 を表しています。



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