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−惑星の視運動−

夜空を毎日続けて見ていると、恒星の単純な運動に比べ、惑星は複雑な動きをするように見えます。これは惑星と地球が共に太陽の周りを公転しているために生じるみかけの運動です。これがどのような理由で引き起こされるのか、学習してみましょう。


惑星の視運動
惑星の視運動とは 天球での、みかけの運動の事を指します。それぞれの動きの名称については、はっきりと理解出来るよう表の形で示しておきます。

順行 惑星が星座の中を西から東へと動くときの動きのこと
順行・逆行それぞれへの転換時期に静止している状態のこと
逆行 惑星が星座の中を東から西へと動くときの動きのこと


会合周期・公転周期
太陽系の惑星は地球と太陽を基準にして、内惑星・外惑星の2つに分けることが出来ます。下の図を見て、内惑星・外惑星の位置をよく確認して下さい。
また、それぞれの惑星と、地球、太陽が一定の位置関係にあるとき、様々な名称が付けられています。これについても、表の形で簡単にまとめておきます。


外惑星 (火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星)
外惑星が太陽と同じ方向にある状態のこと
外惑星が太陽と逆の方向にある状態のこと
東矩 外惑星が太陽の東90度の方向にある状態のこと
西矩 外惑星が太陽の西90度の方向にある状態のこと


内惑星 (水星・金星)
内合 内惑星が太陽と地球の間にある状態のこと
外合 内惑星が地球から見て太陽の後方にある状態のこと
東方
最大離隔
内惑星が太陽から最も東に離れて見える状態のこと
西方
最大離隔
内惑星が太陽から最も西に離れて見える状態のこと


また内惑星の中でも金星は、日没後に西に明るく輝くのは東方最大離隔のときで 宵の明星 といい、 明け方に東の空に輝くときは西方最大離隔のときで 明けの明星 といいます。


会合周期
惑星が太陽に対して 天球上を一巡 する時間を、会合周期といいます。
※衝から衝、合から合等への特定の位置関係になる時間であるとも言うことが出来ます。


公転周期

惑星が太陽の周りを一周する時間です。会合周期と公転周期との関係は、以下のようになります。
地球の公転周期:E
惑星の会合周期:S  ⇒
惑星の公転周期:P
内惑星: 1/P − 1/E = 1/S
外惑星: 1/E − 1/P = 1/S
はじめに
惑星の視運動
惑星の軌道運動
太陽の概観
太陽の活動とエネルギー
第2章 恒星の性質と進化
第3章 銀河系と宇宙
宇宙科学の最先端
用語
質問



■天球
地球を中心にして星を投影する、無限に大きな球。

■会合周期
具体的な例を挙げると、衝から衝、 合から合等の特定の位置関係へと再びなるまでの時間。

■公転周期
地球では1年であり、 惑星ごとに違う周期を持ちます。

詳しい用語説明は、 用語説明ページ をごらんください。