−恒星までの距離と明るさ−
夜空にある星をながめていても、その方位はわかるものの星までの距離はわかりません。どのようにして、星までの距離を測るのでしょうか。今回はその方法について、くわしく説明します。
恒星までの距離
恒星までの距離は、離れた2点からの視差(三角視差)を測定することによって求められます。
年周視差
年周視差とは、地球と太陽間の平均距離(1天文単位)に対して恒星のなす角のことです。角度の秒(")で表されます。遠方の恒星ほど小さく、恒星までの距離に反比例します。
恒星の距離を表す単位
【 光年 】
1光年とは光が1年間に進む距離のことです。
1光年=9.46×1012km
【
パーセク 】
1パーセクとは年周視差が1"になる距離のことです。
1パーセク=3.08×1013km≒3.26光年
絶対等級
絶対等級とは、実際の明るさを比較するために、 すべての恒星を10パーセクの距離において見たと仮定したときの等級。
先にも述べましたが、絶対等級とは実際の明るさを比較するために、すべての恒星を10パーセクの距離において見たと仮定したときの等級です。そのため、見かけの等級と真の等級は一致しません。主な星の見かけの等級と絶対等級を載せておきます。
恒星 |
見かけの等級 |
絶対等級 |
太陽 |
-26.7等級 |
4.9等級 |
北極星 |
2.0等級 |
-3.4等級 |
プロシオン |
0.4等級 |
2.7等級 |
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■三角視差
三角視差とは、対象と観測地点2点とを結んでできる角度のこと。
⇒こちらへ(高知工科大学高木研究室)
■角度
角度の1度=角度の60分、角度の1分=角度の60秒
■距離
恒星との距離 d , 年周視差 p のとき
d = 1 / p 〔パーセク〕 = 3.26 / p 〔光年〕
■太陽の絶対等級
太陽の絶対等級は4.9等級で、他の恒星と比べてもとくに明るい恒星ではなく、ごく標準的な恒星であるといえます。
■北極星
こぐま座の星。距離は400光年。天球の北極の近くに輝き、北の方角の目印になります。
⇒こちらへ(水戸市総合教育研究所)
■プロシオン
こいぬ座の淡黄色の星。距離は11光年。晩冬の夕刻、南天に銀河を隔ててシリウスと相対します。
⇒こちらへ(水戸市総合教育研究所)
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