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−膨張する宇宙−

宇宙が膨張しているという事実は、現代宇宙論の最も大きな成果です。ここでいう宇宙論とは、宇宙の構造や歴史について研究する学問のことを指します。天文学の最後を飾る学習事項ですので、しっかり学習しましょう。


銀河のスペクトルを観測した場合、ごく近くの銀河を除いた銀河には赤方偏移がおきていることが分ります。この赤方偏移がドップラー効果により起きていると仮定した場合、銀河は遠ざかっていると考えられます。

地球に到達する波長が長くなる。

ハッブルの法則
 ● 近い銀河はゆっくりと、遠くにある銀河は早く遠ざかります。
 ● 距離と後退速度(離れていく速さ)には、 比例関係が成り立ちます。

  ⇒ 宇宙は膨張している!!


以上を受けて、宇宙の膨張についていろいろな宇宙モデルが作られました。
※銀河の数は変化しません。

膨張
宇宙論
宇宙はいつまでも膨張を続けるという考えをもとにつくられた宇宙論。
この場合、宇宙は約150億〜200億年前に誕生したと考えられています。
振動
宇宙論
宇宙は膨張と収縮を周期的に繰り返しているという考えをもとにつくられた宇宙論。

補足
 ●現在では膨張宇宙論が正しいとされています。

宇宙の年齢
膨張開始時点を誕生とした場合、 宇宙の年齢は100億〜200億年になります。このとき宇宙は1点に収束しているため、非常に高密度の物質と考えられています。

補足
 ●現在、宇宙の年齢は約137億年と推定されています。



宇宙の地平線
現在私たちが 観測できる宇宙の領域 の境界線をいいます。
これは時間の経過とともに拡大し続けています。


宇宙背景放射とビッグバン
ビッグバン 宇宙の初期を高温で小さな 火の玉宇宙 として捉えた場合、その大爆発を指します。
100億〜200億年前に起こったと考えられ、これにより宇宙の膨張が始まったと考えられています。
3K宇宙背景放射
(初期宇宙のぬくもり)
宇宙の初期を火の玉状態だとしたときの、宇宙空間に残っていると考えられている放射をいいます。
電波観測により、約3Kの物質からの放射と一致しているためこのように名づけられています。
はじめに
第1章 太陽と太陽系
第2章 恒星の性質と進化
第3章 銀河系と宇宙
銀河系の発見
銀河系の構造
銀河系外の世界
膨張する宇宙
宇宙科学の最先端
用語
質問



■赤方偏移
スペクトルの吸収線が波長の長い赤のほうへずれる現象。

■ドップラー効果
波を発生させているものが動くことにより、 波長がずれる現象。

■火の玉宇宙
宇宙がビッグバンを起こす前の収縮した状態。 かなりの高密度体。

詳しい用語説明は、 用語説明ページ をごらんください。