−銀河系の構造−
ハーシェルによって発見された銀河系ですが、現在では電波データを解析することによって、極めて精密な構造がわかっています。ここでは、現時点で分っている銀河系の大まかな構造を理解することを目標としましょう。
銀河系の構造
・ハロー
球状星団の分布する半径約7万5000光年の領域をいいます。
・バルジ
銀河系中央部のふくらみの部分です。
直径約1.5万光年の中心核から構成されています。
・円盤部
銀河系の円盤状の部分です。
半径約5万光年で、太陽は円盤部にあります。
凸レンズ状をして、渦巻状になっています。
恒星、散開星団、星間物質が集中しています。
・銀河面
円盤部の中央の面です。
銀河系内の恒星の分布
年齢の古いK型・M型の恒星は、バルジ、円盤部、ハローの銀河系全域に分布しています。
年齢の若いO型・B型の恒星、および星間物質は銀河面に集中し、星の群落(アソシエーション)や散開星団をつくっています。
銀河系内の水素の分布
電波は可視光線と異なって星間物質による吸収をほとんど受けないため、 銀河系全体を見通すことができます。
銀河系内の電波を観測すると、銀河面に近づくほど強くなっており、 銀河系中心方向にあたるいて座の付近で最も強いことがわかります。
電波を出すのは主としてガスで、その主成分は水素です。 中性水素原子から放射される波長21cmの電波は、銀河系全体の水素原子の分布を調べるのに利用されています。
銀河系中心部
・銀河系の中心はいて座の方向にあります。
・銀河系中心部(バルジ)の特徴
(1) |
年齢の古い恒星が集まっています。 |
(2) |
恒星が個々に乱雑な運動を行うことによって重力とのつり合いを保ち、球状を維持しています。 |
・バルジ内の恒星の個数密度は中心に近いほど急激に高くなり、星間雲の運動速度は中心に近づくほど急激に増加します。
・銀河系中心部にはブラックホールがあると考えられています。
天の川
太陽は、銀河系の中央にはなく、銀河系の中心から約2万8000光年のところにあります。そのため、地球から円盤部の方向を見ると、多数の恒星が重なって帯のように見えます。これが天の川の正体です。 |