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光化学反応
◯ヘキサンと臭素の反応
光化学反応の1例としてヘキサン臭素の光化学反応の様子を下に示します。
下の右側の写真は、ヘキサンに臭素を加えた溶液を2本の試験管に入れて、紫外線を照射する様子を示しています。左側の試験管には光が当たらないように、アルミホイルで包みます。このようにしてから、紫外線を 1、2、・・・分当てた後で、アルミホイルを外して2本の試験管を撮った写真を下の左側に並べてあります。下の写真の右上の時間が光照射した時間を表しています。

   

 

光を当てていくと、光が当たっている右側の試験管中の溶液の臭素の色が次第に薄くなっていくのがわかります。これは、臭素とヘキサンが光化学反応を起こすために臭素がなくなり、臭素による黄色が消えるためです。
反応はおよそ下の反応式のようになります。

ここで、矢印の上の hν は光によって反応が起こること(光化学反応)を表しています。

 

 


◯Fe(III) の還元反応
トリスオキサラト鉄(III)酸カリウムのFe3+がFe2+に還元される反応を示します。生成したFe2+を検出するためにヘキサシアノ鉄(III)酸カリウムあるいは1,10-フェナントロリンと反応させて青色あるいは赤褐色の生成物として見ることができます。
(1)右の写真はトリスオキサラト鉄(III)酸カリウムの溶液にろ紙をつけたところです。この後、ろ紙をシャーレから出して光をあてないようにして、陰干しします。



(2)陰干ししたろ紙に、右の写真のように文字を切り抜いた紙をのせて、光を照射します。光の当たったろ紙のところだけ光化学反応が起こり、Fe3+ が Fe2+ に還元されます。

 

 


(3)黒紙でマスクして光照射したろ紙をヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム溶液に漬けたところです。光の当たったところだけ Fe2+ が生成しているので、その部分だけが反応して青色になっています。

 


(4)右の写真は、トリスオキサラト鉄(III)酸カリウムの溶液につけた後、陰干しした別のろ紙に、上と同様に文字を切った紙でマスクして光照射した後、そのろ紙を1,10-フェナントロリン溶液に漬けたところです。光の当たったところだけ赤褐色の生成物ができているため、赤褐色のところにはFe2+ が生成したことがわかります。





これらの光化学反応は下のような反応式で表されます。


上の実験では、生成したFe2+ がそれぞれヘキサシアノ鉄(III)酸カリウムあるいは 1,10-フェナントロリンと反応して青色あるいは赤褐色の生成物を与えます。
Fe2+ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウムとの反応は以下のような反応式で表されると考えられています。



また、Fe(II) と 1,10-フェナントロリン(Phe) との反応は下のような反応式で表されます。



歴史
原理
実験1
実験2
応用
用語
質問




■ヘキサン
飽和炭化水素の1つです。アルカンの仲間です。

■臭素
臭素分子はBr2 です。臭素はハロゲン(塩素、ヨウ素など)の仲間です。

■紫外線
紫色の光よりも波長の短い光をいいます。

詳しい用語説明は、 用語説明ページを ごらんください。



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

詳しい用語説明は、 用語説明ページを ごらんください。

■トリスオキサラト鉄(III)酸カリウム
K3[Fe(C2O4)3]です。

■1,10-フェナントロリン
C12H8N2です。


詳しい用語説明は、 用語説明ページを ごらんください。