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ルシフェリン
ルシフェリンは発光生物によって異なります。たとえば、ホタルルシフェリン分子の構造は左の図のようなものです。

ルシフェラーゼ
ルシフェラーゼは酵素の1種ですが、発光生物により異なります。酸素(空気)の存在下でルシフェリンを酸化してオキシルシフェリンを生成する反応の触媒として働きます。ホタルルシフェリンではオキシルシフェリンとともに二酸化炭素も生成されます。

  酵素
  酵素はタンパク質で分子量は1万程度から100万位あるものもあります。酵素は生体中で化学反応の触媒としての働きをします。。
 
ヘモグロビン
ヘモグロビンは血色素ともよばれます。ほとんどの脊椎動物の赤血球にあって、血液中で酸素を運ぶ働きをするタンパク質です。

  タンパク質
  タンパク質は多数のL-アミノ酸がペプチド結合したペプチド鎖からなる。ペプチド鎖はそれぞれのタンパク質に固有のアミノ酸残基の配列を持っている。
 
  L-アミノ酸
  アミノ酸は分子内にカルボキシル基(-COOH)とアミノ基(-NH2)をもった化合物をいいます。
1つの炭素原子に4つの異なった置換基がついているとつき方の違いにより、2種類のものができます。それらは右手と左手のように互いに重ならない配置をとっています。その2種類のうちの1つをL体、もう1つをD体といいます。
 
  ペプチド結合/ペプチド鎖
  アミノ酸は分子内にカルボキシル基(-COOH)とアミノ基(-NH2)をもっています。アミノ酸のカルボキシル基が別のアミノ酸のアミノ基と縮合脱水して-CO-NH-という結合を作って2つのアミノ酸分子がつながることができます。そのときできる-CO-NH-結合をペプチド結合といい、この結合でアミノ酸が鎖のように数多くつながってできたものをペプチド鎖ということがあります。
 
X線
X 線は電磁波の仲間です。X 線のことをレントゲン線ともいいますが、これはレントゲンがX 線を発見したためです。
光も電磁波ですが、 X 線は目に見える光よりもずっと短い波長をもっています。波長の短い電磁波は波長の長い電磁波よりもエネルギーが大きいのです。たとえば、紫外線は目に見える光(可視光)よりも波長が短いためにエネルギーが大きく、皮膚に日焼けを起こします。X 線は紫外線よりも波長がさらに短いためにエネルギーも大きく、人体の中まで通ってしまいます。そのため、外から体の中の様子を調べるために使うことができます。

  電磁波
  電磁波は波の1種で、簡単に電波ということもあります。水面の上の波の伝わる様子は目で見えますが、電磁波の伝わる様子は目で見ることはできません。水の波は水面が上下に振動して伝わりますが、電磁波は電気と磁気が振動して伝わっていきます。水の波で水面が振動する方向は波の進む方向とちょうど直角方向です。電磁波でも同じように、電気と磁気の振動する方向は電磁波の進む方向と直角方向になります。
 光や X 線も電磁波の仲間です。
 
芳香族化合物
ベンゼン環のような芳香族性をもっている化合物をいいます。ベンゼン環はナフタレンのように縮合していてもかまいません。また、窒素、酸素、イオウ原子を含む芳香族複素環化合物も広い意味で含まれます。

スピン多重度
電子が自転しているとすると右回りと左回りの回転があります。これに+1/2と-1/2のスピン量子数(s)を対応させます。分子にある電子は通常対で存在しますが、その場合スピン量子数はゼロになります。2S+1 をスピン多重度といい、通常の芳香族化合物の基底状態では S = 0 なので、スピン多重度は1となり、これを1重項状態といいます。
対になっている電子が同じスピン量子数をもつと(S=1)スピン多重度は3となり、このような状態を3重項状態といいます。

電子遷移
エネルギー状態で表わされるレベル(状態)は分子に含まれている電子のエネルギーレベルです。したがって、エネルギーレベルの低いところから高いところ、あるいはエネルギーレベルの高いところから低いところへ移るのは電子です。それで、このような移動を電子遷移といいます。

禁制遷移
遷移が理論的に起こりえないものを禁制遷移といいます。たとえば、スピン多重度の異なる状態間の遷移などです。実際には異なる多重度の状態の性質がある程度混ざるために、確率的に小さいけれども遷移が起こることがあります。本来、禁制である三重項状態から基底状態(一重項状態)への輻射遷移であるりん光が観測されるのはそのような理由によります。

消光
他の分子(異なった種類あるいは同じ種類の物質でもかまいません)との衝突によって励起状態が基底状態へ変化させられることを消光といいます。その励起状態が蛍光を出しているときには蛍光が弱くなりますので、蛍光消光といいます。

ヤブロンスキー(Jablonski)
Alexander Jablonski(ヤブロンスキー)は1898年生まれのポーランドの科学者です。彼はカルコフ(Kharkov)大学とワルシャワ大学で物理学を学びました。溶液の発光現象、蛍光偏光などについて研究しています。発光に関するエネルギー状態図はヤブロンスキー図(Jablonski diagram)として知られています。彼の研究は第1次世界大戦、ポーランド−ボルシェビッキ戦(Polish-Bolshevik war)、第2次世界大戦において軍隊へ入ることにより、3度中断されました。ヤブロンスキーは1921年から1926年までワルシャワオペラの第一バイオリンとしても活躍しています。

次亜塩素酸ナトリウム
次亜塩素酸ナトリウムは NaClO です。漂白剤や殺菌消毒剤として使われます。次亜塩素酸ナトリウム水溶液は保存中に少しずつ分解して酸素が発生します。
     2NaClO ----> 2NaCl + O2 

過酸化水素
過酸化水素の分子式は H2O2 です。室温で無色の液体です。酸化力が強く、漂白剤や殺菌剤として使われることがあります。

芳香族炭化水素
ベンゼン環をもつ炭素と水素からなる化合物をいいます。ナフタレンのようにベンゼン環が縮合した(くっついた)形でも含まれていれば芳香族化合物に入ります。

反応中間体
化学反応が起こったときに分離して取り出すことはできないが、反応の過程で生じる化学種をいいます。

  化学種
  化学反応に関係する化学物質などを化学種ということがあります。
 
電子供与体受容体錯体(電荷移動錯体)
電子を出しやすい化合物(電子供与体)と電子を受け取りやすい化合物(電子受容体)の間で生じる分子間化合物(分子化合物)をいいます。ヒドロキノンとキノンとの間でできるキンヒドロン、ピレンとクロラニルの間の分子化合物、ベンゼンとヨウ素の間の分子化合物などがあります。

紫外線
人間の目に見える光を可視光といいます。可視光の波長領域はおよそ 400 nm〜700 nm です。
nm は「ナノ メートル」と読みます。「n」はセンチメートルの「c」やミリメートルの「m」のように、単位の接頭語の意味をもっています。「c」は10-2を「m」は10-3を意味しています。同様に「n」は10-9を表わします。
400 nm 付近の光は紫色です。それで、可視光よりも波長の短い光を「紫」色の光の「外」にある光という意味で紫外線と呼ぶわけです。したがって、紫外線は目には見えません。
一方、可視光よりも波長の長い光は赤外線といいます。700 nm 付近の光は赤色をしており、赤色の光よりも波長の長い光を「赤外線」と呼ぶわけです。

スパチュラ
スパチュラは少量の試料を取ったりするのに使います。
スパーテルともいいます。

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