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リニアモーターの原理

提供:(財)鉄道総合技術研究所

 リニアモーターカーのリニアは「線になった」という意味です。普通のモーターは回転する軸(回転子)もそれをかこんでいる磁石も円筒形をしていますが、リニアモーターは線あるいは面状の形をしています。そのため、普通のモーターは回転運動をしますが、リニアモーターは直進運動をします。
 普通のモーターの回転部分(回転子)がリニアモータカーの車両に、普通のモーターの外側の部分が車両の外の部分にあたります。

 リニアモーターカーを推進させる磁石は浮上させる磁石とは別のものです。 上図の左側が普通のモーターです。外側の円筒形のものが磁石で、黒色と赤色の部分がそれぞれ磁石の S極とN極になっています。中の白い棒が回転する部分(回転子)です。
 普通のモーターの外側の丸い部分をのばして帯状にします。真ん中の図はこの様子を表わしています。
さらに、回転子の部分も平らにのばします。この様子を表わしているのが右側の図です。こうすると、普通のモーターでは回転子は回転するのですが、右の図(回転子と外側が平らになっている)では回転子は回転せずに移動(直進)することになります。
 平らにのばしたモーターの回転子にあたるところがリニアモーターカーの車両になります。そのために、リニアモーターカーは進むことができます。


 

リニアモーターカーが進む原理

提供:(財)鉄道総合技術研究所

 上の図は線路にあたる地上の磁石とリニアモーターカーの磁石との関係を示しています。磁石の S極と S極、 N極と N極は互いに反発しますが、 S極と N極は互いにひきつけあいます。このような磁石同士の反発力と引力を利用した推進力を生み出すリニアモーターにより、空中に浮いたリニアモーターカーは進むことができます。

 上図では車両が進んでいく様子を3つの図で表わしています。
 S極と S極、 N極と N極は互いに反発しますが、 S極と N極は互いにひきつけあいます。
 最初の1番上の図の部分を見ると、車両の左前の N極とそれより少し前方にある地上の S極には引力が働きます。同時に、車両の左前のN極とそれより少し後方にある地上の N極には反発力が働きます。また、車両の右前の S極とそれより少し前方にある地上の N極には引力が働きます。それと同時に、車両の右前の S極とそれより少し後方にある地上の S極には反発力が働きます。そのため、車両の前の部分は進行方向(図の右側)に進む力が働きます。車両の後ろのS極とN極についてもやはり車両を進行方向へ進ませる力が働きます。
このような車両と地上の磁石同士の反発力と引力を利用して推進力を生み出すことにより、空中に浮いたリニアモーターカーは進むことができます。

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