中和反応
酸と塩基が反応して、お互いの性質を打ち消しあうことを中和といいます。塩酸と水酸化ナトリウム水溶液は次式のように反応して、塩化ナトリウムと水を生じ、塩酸と水酸化ナトリウムの性質はなくなります。
HCl + NaOH -> NaCl + H2O
水溶液中では、塩酸と水酸化ナトリウムはそれぞれ電離してイオンとして存在しています。そこで、イオンの形で上の式を書き直すと次のようになります。
H+ + Cl- + Na+ + OH- -> Na+ + Cl- + H2O
矢印の左右にある同じ物質(イオン)を消去すると次式になります。
H+ + OH- -> H2O
このようなイオンについての反応式をイオン反応式といいます。
中和では、酸から生じるH+と塩基から生じるOH-が結合して水を生成する反応といえます。
2価の硫酸と水酸化ナトリウムでは、中和反応は次のようになります。
H2SO4 + 2NaOH -> Na2SO4 + 2H2O
H2SO4 1 mol はH+ 2 mol を生じるので、NaOH 2 mol と過不足なく反応することができます。
上に示した2つの中和反応で、酸の陰イオン(Cl-やSO42-など)と塩基の陽イオン(Na+など)が結合した化合物(この例では、NaCl と Na2SO4)を塩(エン)といいます。 |