電離度
○電離して陽イオンと陰イオンを生じる物質を電解質といいます。
酸や塩基は電離して水素イオンや水酸化物イオンを生じますが、電離する割合は物質によって異なります。水に溶かした酸や塩基のうち、電離したものの
割合を電離度(α)といいます。
α = 電離した電解質の物質量/溶けている電解質の物質量
で表されます。したがって、α は 0 =< α =< 1 の値になります。
電離度で考えると、強酸・強塩基は電離度が大きく、ほぼ1の大きさですが、弱酸・弱塩基はより小さな電離度の値を示します。
強酸:塩酸
HCl -> H+ + Cl- (ほぼ完全に電離する)
強塩基:水酸化ナトリウム
NaOH -> Na+ + OH- (ほぼ完全に電離する)
弱酸:酢酸
CH3COOH <-> CH3COO- + H+ (一部だけ電離する)
弱塩基:アンモニア水
NH3 + H2O <-> NH4+ + OH- (一部だけ電離する)
○酸・塩基の電気伝導性(電気の流れやすさ):
水溶液に電気が流れるためには、電荷をもった陽イオンや陰イオンが必要です。溶液中をこれらのイオンが移動することによって
電気が流れることになります。したがって、イオンの数が多いほうが溶液に電気が流れやすいことになります。
同じ物質量の強酸と弱塩基を比べると、水溶液中にあるイオンの濃度(数)は電離度の大きい強酸の方が高く(多く)なります。
そのため、強酸の方が電気は流れやすくなります(電気伝導性は大きくなります)。
塩基でも同様のことがいえます。
強塩基の方が同濃度でも弱塩基よりも溶液中のイオンの濃度が高いために電気を通しやすくなります(電気伝導性が大きい)。
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