地層の学習で出てくる用語に「礫(れき)・砂・泥」があります。その粒子の大きさによって名前がつけられているのですが,なかなか分かりづらいところでもあります。特に,砂と泥の境目ともなると人間の感覚の限界に挑戦するかのようです。そこで,このページでは,手触りや指紋・顕微鏡での見え方などから,どのように判別したらよいのかを解説します。 | |||
定 義 | 手触りから判別する | ||
2mm以上 | 礫(れき) | ごろごろして,明らかに石ころのような感じを受けます。 | |
1/16mm以上 2mm未満 |
砂 | 定義の幅が広いので,石ころよりは小さく粒の手触りを感じたら砂です。 | |
1/16mm未満 | 泥 | 粒の手触りを感じなければ,もうそれは泥の領域です。 | |
※手触りが台所にある「クレンザー」のようなものだったら,火山灰かもしれません… |
手の指紋を使って,簡易的に判別する方法があります。個人差があるとは思いますが,だいたい指紋2列分で1mmになるのではないでしょうか。 ということは,手に取ったものが指紋4列以上なら「礫」それ以下なら「砂か泥」という判断が可能です。 では,「砂か泥」のどちらかを判断するにはどうすればいいでしょう。数字としては,指紋1列を0.5mmと考えると,最小の砂が1/16mmなので約0.06mm。つまり指紋1列の1/8の大きさであっても「砂」ということになります。 もう,こうなると,職人の域でしょうか。経験から言えばぎりぎり粒を感じたら,たいていは「砂」と判断することで間違いはありません。「泥」と呼ぶものは,それ以下なわけですから,いかに細かい粒かを考えさせられます。 |
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見える範囲の長さがあらかじめ分かっている状態で,観察すれば手触りや指紋などよりも正確に判別することが可能です。そのためにも,顕微鏡で見る前には必ず定規などのスケールを見て,見える範囲の長さを把握しておきましょう。 ※この写真は,顕微鏡の接眼レンズにデジタルカメラを当てて撮影したものです。専用のアタッチメントなども発売されているようですが,なくてもこの程度なら撮影可能です。(露頭記号YN-07の層に入っていた火山灰の層を洗浄して撮影してみたものです。) |
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観察する前には,このように定規などを入れて見える範囲の長さを測っておきましょう。 この場合は,直径が約4mmだということがわかります。 では,実際に顕微鏡で見た状態で判別してみましょう。 |
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↑ 粒が約1mmほどなので「砂」です。 | ↑ 粒が1/3〜1/4mmなので「砂」です。 |
↑ もし,このような大きさのものが見られたら2mm以上なので「礫」ということになります。 | ↑ 大きな粒に見えますが,実は赤い丸の中にある非常に細かい粒が寄せ集まった状態なので,これは「泥」です。実際に触ってみても指で粒子を感じることが難しいです。 |
「1.指紋で判別してみる」の中で手触りを感じなければ泥という説明をしたのですが,身近なものでその感触を確かめてみましょう。地学で言うところの"泥"がいかに細かいものなのかが分かると思います。 実際に,泥の手触りを感じることで,観察にでかけた際に自信を持って岩石名の判断ができると思います。 |
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小麦粉を指先でこすりあわせると,指紋の間に入りこむほど細かく,一粒の大きさを感じることは不可能なくらいにさらさらとしています。 | 顕微鏡で見てみました。倍率は,今まで同様28倍です。見えている円形の部分の直径は約4mmですから,小麦粉の粒がいかに細かいかが分かります。(赤い丸で囲んだところが一粒) このことにより,小麦粉(薄力粉)の粒の大きさは「泥」に相当することが分かります。→この一粒を顕微鏡で見える1mm幅に16粒以上余裕で並べることができそうだからです。 |